クルーズの寄港地に清水港が入っていて、出発まであと1〜3ヶ月。
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「この港、降りる価値あるのかな」
そう思って検索した方に向けて書いています。
清水を拠点にする編集部が、ツアーを売る立場ではなく、都合の悪い部分も含めて正直にお答えします。
結論を先に言うと
多くの方にとって、答えはイエスだと思います。
船に残るより、降りたほうが得られるものが多い港です。
桟橋のすぐそばに本物の魚市場と商業施設があり、晴れれば世界的に有名な富士山まで見えます。
しかも予約なしで回れます。
日本のクルーズ港の中でも、個人で動きやすい部類に入ると思います。
ただし「価値があるか」は、何を期待して降りるかで大きく変わります。
富士山の写真が確実に撮れると思っている方、大都市並みの買い物を期待している方、有名観光地を次々に回りたい方には、がっかりする点があるかもしれません。
逆に、のんびり歩ける港、天候に恵まれれば見られる本物の景色、観光地化されていない普段の町を求めているなら、清水は合っていると思います。
以下では、上陸時間別に「実際に何ができるか」を具体的に書いていきます。
清水が向いている人・物足りないかもしれない人
向いているのは、バスツアーより自分の足で歩ける港が好きな方です。
五つ星のレストランでなくても新鮮な魚を楽しめる方、買い物より景色や歴史に少し興味がある方にも合っていると思います。
タクシーやローカル電車を使うくらいの身軽さがあれば、なお回りやすくなります。
一方、物足りなく感じるかもしれないのは、大都市らしい賑わいを求めている場合です。
清水は働く港町であって、買い物の中心地ではありません。
ここにある商業施設は、港沿いのショッピングモールと昔ながらのアーケード商店街で、百貨店や高級ブランド店ではありません。
買い物そのものが目的なら、その日は東京や横浜の寄港日に取っておき、清水は景色とグルメの日にするのもひとつの選択肢です。
富士山の写真が確実に撮れることを前提にしている場合も、期待通りにはいかないかもしれません。
これはどの港でも同じで、富士山の確実な撮影は保証できません(詳しくは後述します)。
数時間で有名観光地を続けて回りたい方にも、清水は少し物足りないかもしれません。
この港のいちばんの魅力は、湾越しの富士山や市場の一角、ストリートピアノのあるアーケードといった、もう少し静かな部分にあると思います。
もうひとつ、正直に書いておきます。
この記事で紹介する場所は、普通に歩ける体力があれば基本的に問題ありません(久能山東照宮はロープウェイで上がれますが、石段のルートも選べます)。
歩行に不安がある場合は、船社のバスツアーが坂道の移動を代わりに引き受けてくれる分、選択肢として悪くありません。
ツアーを最初から除外する前に、知っておいて損はないと思います。
上陸時間別にできること
3時間以内
桟橋から徒歩15分圏内のスポットだけで、3時間は十分に埋まります。
交通手段は不要です。
まずは徒歩約5分のエスパルスドリームプラザへ(入場無料、ショップ10:00〜20:00、レストラン11:00〜21:00)。
お土産探しやフードコートに加え、観覧車に乗れば13分で港全体の位置関係がつかめます。
そこから徒歩約10分の河岸の市(いちば館9:30〜17:30、水曜定休)で、まぐろ丼を食べるのがおすすめです。
清水はまぐろ水揚げ日本一の港で、東京で同じ魚を食べるよりずっと安く済みます。
時間が余ったら、港沿いの遊歩道を歩いて、湾越しの富士山を探してみてください(狙うなら午前中が良いと思います)。
フェルケール博物館(9:30〜16:30、月曜休館、大人400円)で、港と船の歴史に30分ほど触れるのも良い過ごし方です。
3時間あれば、「降りたという事実」以上のものが得られると思います。
4〜6時間
このくらいの時間があれば、タクシー代を使う価値が出てきます。
定番は、午前中にタクシーで三保松原へ向かうコースです(桟橋から15〜20分、タクシー代の目安は2,500〜3,500円、入場無料)。
3万本の松の向こうに、浮世絵で有名になったのと同じ富士山の姿が広がります(見えるかどうかは天候次第です)。
戻って河岸の市で昼食、時間があればドリームプラザで買い物、という流れが定番です。
もうひとつの選択肢は、日本平と久能山東照宮の組み合わせです。
標高307mの日本平までタクシーで約20分(無料、富士山・駿河湾・茶畑を一望)。
そこからロープウェイ5分(往復1,250円)で、徳川家康公が最初に葬られた国宝の社殿、久能山東照宮へ(拝観700円、博物館共通1,200円)。
個人で回っても、交通費と拝観料を合わせて1人3,500〜5,000円程度に収まります。
同じ場所を巡る船社バスツアーより、かなり安く済みます。
終日(8時間以上)
丸一日あれば、上記の三保コースと日本平コースを両方回れます。
片方を、もう少し遠くの体験と入れ替えることもできます。
意外と知られていないのが、富士宮への電車参拝です。
JRで富士宮駅まで約1時間(片道590円ほど)。
駅からすぐの富士山本宮浅間大社は、日本の富士山信仰の総本山です。
富士山世界遺産センターは、逆円錐形の建物とらせんスロープが印象的な博物館です。
山そのものが姿を見せない日でも、この2ヶ所だけで十分に満足できる時間になると思います。
丸一日あれば、電車で11分の静岡市街に出て、駿府城公園(家康が晩年を過ごした城跡)を訪ねる余地もあります。
もっと足を延ばしたいなら、白糸の滝方面までカバーする貸切タクシーやツアーという選択肢もあります。
富士山への正直な期待値
クルーズ会社は清水を「富士山の港」として売り出しがちで、それがこの港でいちばん多い期待外れの原因になっています。
正直に言うと、富士山はよく隠れます。
夏は湿気で何日も見えないことがあり、どの季節でも午後より午前中のほうが見える確率は高めです。
冬から晩秋の朝がいちばん条件が良く、7〜8月の午後は五分五分か、それより厳しいと考えておいたほうが良いと思います。
だからといって、富士山を諦める必要はありません。
「山が見えなくても良い一日になるか」を基準に予定を組むのがコツです。
久能山東照宮、三保松原の松林、河岸の市、富士宮の浅間大社と世界遺産センターの組み合わせは、どれもこの基準をクリアします。
逆に、展望台ひとつのためだけの3時間タクシーはクリアしません。
段階別の現実的なプランは 富士山デイトリップガイド に詳しくまとめています。
富士山中心の一日を組む前に、一度読んでみてください。
雨の日でも成立するか
雨が降っても、清水の一日が中止になるわけではありません。
行き先が変わるだけです。
エスパルスドリームプラザは完全な屋内施設で、桟橋から徒歩5分。
河岸の市の建物や、屋根付きの清水銀座商店街も、買い物や食事の間は雨に濡れません。
フェルケール博物館や次郎長生家も、屋根の下で問題なく過ごせます。
一方で分が悪いのは、水上バスやベイクルーズ(荒天で欠航することがあります)、そして屋外の展望スポットです。
三保松原の浜辺やさった峠は晴天向きですが、松林そのものを歩く分には小雨でも十分楽しめます。
富士山が見えないだけです。
費用感
清水の面白いところは、予算の幅がとても広いことです。
桟橋周辺(ドリームプラザ、遊歩道、次郎長生家)を歩くだけなら、食事や買い物以外は無料です。
三保松原までのタクシーは片道2,500〜3,500円。
水上バスなら1区間1,000円・1周1,800円で、同じ方向をカバーできます。
日本平と久能山東照宮をタクシーとロープウェイで個人で回ると、拝観料込みで1人3,500〜5,000円程度。
4時間の貸切タクシーは車両1台で15,000〜20,000円が目安なので、3〜4人のグループならこれがいちばん割安になることが多いです。
手間をかけたくない場合、船社のショアエクスカーションは1人100〜200ドル以上、現地の個人ガイドやチャーターは240〜870ドル程度が相場です。
段取りをすべて任せられる安心感はありますが、それだけが清水の楽しみ方ではないと思います。
それぞれの向き不向きは ショアエクスカーション徹底比較 で詳しく比較しています。
それでも迷ったら
ここまで読んで、それでも清水で降りるかどうか迷っている方へ。
編集部の結論はこうです。
多くのクルーズ乗客にとって、清水は降りる価値がありますし、そのために大きな出費や事前の準備は必要ありません。
「船に残ればよかった」と後悔する人の多くは、港が期待外れだったからではなく、思っていた以上に歩いて回れる範囲が広かったことを知らなかっただけです。
上陸先の全体像を、船からの距離・料金・定休日つきで一気に確認したい方は、清水寄港日にできる20のこと をブックマークしておいてください。
乗船・両替・Wi-Fiといった基本情報は、清水港完全ガイド にまとめています。
魚市場を予定に入れているなら、河岸の市完全ガイド でどちらの棟に入るべきかを確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 上陸時間が3時間しかありません。それでも降りる価値はありますか?
あります。
ドリームプラザ、河岸の市、港沿いの富士山ビュー、次郎長生家は、すべて桟橋から徒歩15分圏内。
交通手段なしで、3時間に収まります。
Q. クルーズ前に何か予約しておく必要はありますか?
この記事で紹介したDIYプランに、予約は不要です。
徒歩圏のスポットも桟橋のタクシーも、当日その場で動けます。
船社ツアーではなく現地の個人ガイドを希望する場合は、2〜4週間前までの予約をおすすめします。
清水は、個人ガイドの数自体が少なめです。
Q. 寄港日に富士山が見えなかったらどうすればいいですか?
最初から織り込んでおくのがいちばんだと思います。
久能山東照宮、三保松原の松林、河岸の市、富士宮の浅間大社と世界遺産センターは、どれも富士山が見えなくても満足できる場所です。
「晴れないと成立しない予定」だけは避けてください。
Q. 日本には来たことがあります。清水は飛ばしてもいいでしょうか?
このあたりの港をすでに訪れたことがあるなら別ですが、そうでなければ飛ばすのはもったいないと思います。
京都や東京とは違うタイプの港町ですし、それを目指してもいません。
まぐろの美味しさ、混雑していない世界遺産、都市部の周遊では意外と見られない富士山の眺め。
ほかの寄港地で市場や展望台を経験済みなら既視感があるかもしれませんが、そうでなければ良い入り口になると思います。
*最終更新: 2026年8月。営業時間・料金・交通情報は当編集部の他記事および各施設の公式情報(2026年中頃時点)に基づきますが、変更されることがあります。記事中のいかなる事業者とも商業的関係はありません。*