清水でランチの場所を探すと、必ず名前が挙がるのが「河岸の市(かしのいち)」です。

🇬🇧 Read this guide in English: English version

清水港は、まぐろの水揚げ量が日本一の港。

その清水港に揚がったまぐろを、水揚げされた場所のすぐ近くで食べられるのが河岸の市です。

仲卸業者さんが直接販売する現役の市場が一般開放されていて、鮮度も価格も、観光向けの施設とはひと味違います。

JR清水駅から徒歩3〜5分、クルーズ船が停泊する日の出埠頭からも歩いて行ける距離です。

この記事では、2つの建物の使い分けや、おすすめメニューと相場、行く時間帯のコツ、そして意外と大事な定休日(水曜日です)まで、まとめて紹介します。


河岸の市はどんな場所?

いちば館のまぐろ丼の店。店頭に丼のメニューが並ぶ
いちば館のまぐろ丼の店。店頭に丼のメニューが並ぶ(撮影:清水港クルーズガイド編集部)
清水魚市場「河岸の市」いちば館の外観
清水魚市場「河岸の市」いちば館の外観(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

よくある海鮮市場と河岸の市が違うところは、大きく3つあります。

仲卸の市場が一般開放されている

いちば館に並ぶお店の多くは、問屋から仕入れた小売店ではなく、清水港に揚がる魚を扱う仲卸業者さんです。

流通の距離が短いぶん、鮮度と価格に納得感があります。

まぐろの水揚げ量が日本一の港にある

清水港は、遠洋まぐろ船が拠点にする港で、全国で食べられるまぐろのかなりの部分がここを通ります。

水揚げされた場所から数百メートルの距離でまぐろを食べられるのが、この市場ならではです。

地元の人の生活の場でもある

週末には、静岡の家族連れが晩ごはんの魚を買いに来ています。

食堂には英語メニューのあるお店も多いですが、市場そのものは観光用に整えられすぎていません。

そうした「普段の市場」の雰囲気も、河岸の市の魅力だと思います。

まぐろだけでなく、桜えびやしらす、お茶など清水の食べもの全体については、清水港グルメガイドでも詳しく紹介しています。


建物は2つ。「いちば館」と「まぐろ館」

海鮮珍味専門店「海鮮組」の店頭。海外からの客も並ぶ
海鮮珍味専門店「海鮮組」の店頭。海外からの客も並ぶ(撮影:清水港クルーズガイド編集部)
いちば館の「魚の北辰」と「海鮮組」。昼どきの買い物客
いちば館の「魚の北辰」と「海鮮組」。昼どきの買い物客(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

河岸の市は、JR清水駅の海側にある、隣り合った2つの建物でできています。

役割が違うので、先に知っておくと迷いません。

いちば館(市場棟)

いちば館の鮮魚店。氷の上に駿河湾の魚が並ぶ
いちば館の鮮魚店。氷の上に駿河湾の魚が並ぶ(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

市場の本体です。

通路沿いに約20店。まぐろの柵が積まれた鮮魚店、貝の水槽、干物の専門店、青果店の間に、食事処も混ざっています。

  • 営業: 9:30〜17:30
  • 定休: 水曜(祝日の場合は翌日。不定休あり)
  • 入場: 無料
  • 食事: 海鮮丼や市場の食べ歩きが500〜2,000円ほど

歩いて、眺めて、お土産を探すのに向いた棟です。

食事は別の場所でとる予定でも、通路を一周してみるのがおすすめです。氷の上に並ぶ冷凍まぐろは、見るだけでもなかなかの迫力です。

まぐろ館(食事棟)

ほぼ全フロアが食事処で、名前のとおり大半がまぐろのお店です。

シンプルなまぐろ丼から、赤身・中とろ・大とろを食べ比べる刺身盛りまでそろっています。

  • 営業: 店ごとに異なります。確実なのは昼の11:00〜15:00ごろ。14:30までの入店が安心です
  • 定休: いちば館と同じく水曜
  • 価格帯: 1食1,000〜2,500円が中心
  • メニュー: 写真付きがほとんど。英語メニューのお店も多数
  • 支払い: カード可のお店が多いものの、現金も持っておくと安心です

フロアマップ:どの階に何がある?

「まぐろ館のフロアマップ」を探している方向けに、2棟の構成を文字でまとめておきます。

店舗は入れ替わることがあるので、最新情報は河岸の市の公式サイトで確認してください。

  • いちば館(2階建て): 1階が市場フロア。鮮魚・仲卸・乾物・青果など約20店が通路沿いに並び、間に食事処も混ざります。2階はカフェ・食事系の数店です
  • まぐろ館(2階建て): 1階・2階とも食事処です。1階に約10店、2階にも「魚市場食堂」など約6店。1階が行列でも2階に空きがあることが多いので、上の階も見てから決めるのがおすすめです

何を食べる?おすすめメニューと相場

選択肢はかなり多いのですが、河岸の市ならではのメニューはこのあたりです。

料理 どんなもの 相場
まぐろ丼 看板メニュー。赤身と脂の部位を盛り合わせるお店が多い 1,500〜2,500円
海鮮丼 その朝に入ったものの盛り合わせ。中身が日替わり 1,500〜2,500円
まぐろ刺身盛り 赤身・中とろ・大とろを食べ比べたい方に 1,500〜2,500円
まぐろカツ・唐揚げ 地元で人気。外はさくっと、中はほんのりレア 500〜1,000円
桜えび料理 駿河湾だけで獲れる小えび。漁期は春(3〜6月)と秋(10〜12月) 800〜1,500円
しらす丼 漁期なら「生と釜揚げのハーフ」という頼み方もできます 1,000〜1,500円

「数量限定」の札が付いたメニューは、その日のおすすめの仕入れであることが多いです。

気になったら、売り切れる前に頼んでみてください。


いつ行くのがおすすめ?(水曜定休に注意)

水曜日はお休みです

いちば館・まぐろ館とも、水曜日が定休日です。水曜が祝日の場合は、翌日が休みになります。

「清水にいられる日が、ちょうど水曜日……」

というクルーズの方は、埠頭のすぐ隣にあるエスパルスドリームプラザの「清水すし横丁」へ。同じ清水港の魚を毎日食べられます。

代わりのプランは清水港グルメガイドにまとめています。

混雑のピークは11:30〜13:30

昼のピークは11:30〜13:30ごろです。

週末はここに地元の家族連れも加わり、人気店では土曜の正午に30分待ちになることもあります。

確実に食べたいなら、11:30前に入るか、13:30以降にずらすのがおすすめです。

午前中に三保松原を回って、早めの昼に河岸の市、という組み合わせも回りやすいコースです。

買い物は午前が充実

鮮魚の棚は午前中がいちばん充実していて、人気のものは夕方までに売り切れていきます。

持ち帰りが目当てなら、早めの時間帯がおすすめです。


お土産を買うなら

いちば館の乾物店は、実は清水でも有数のお土産スポットです。

軽くて日持ちする、地元産のものがそろっています。

  • 素干し桜えび: 駿河湾でしか獲れない小えびです。干すことでうまみが濃くなり、かさばらないのでお土産向きです
  • かつおぶし・干物: 真空パックのものなら持ち歩きにも耐えます
  • わさび製品: 静岡は日本一のわさび産地。チューブやわさび漬けは荷物に入れやすい定番です
  • お茶: 日本の緑茶のおよそ4割は静岡産。深蒸し煎茶を探してみてください

クルーズでお越しの方は、何が船に持ち込めるかを次のセクションにまとめたので、買う前に目を通しておくと確実です。

魚介や肉の加工品は、帰国先の検疫ルールも確認してください。


船に持ち帰れるもの、持ち帰れないもの

少し残念なお知らせですが、まぐろの刺身や柵は、船内に持ち込めません。

要冷蔵の生鮮品は、ほぼすべての船会社が持ち込みを禁止しています。セレブリティ・クルーズは「冷蔵を要する食品」をはっきり禁止品に挙げています(公式FAQ)。

船室の冷蔵庫は保冷程度の能力しかなく、食品衛生上の理由からです。

買う前にこの区別を知っておくと、桟橋で処分することにならずに済みます。

持ち帰れるもの(未開封・常温保存の市販品)

  • 素干し桜えび、かつおぶし、真空パックの干物
  • 静岡茶(袋詰め)
  • 缶詰・瓶詰・お菓子
  • わさび漬けなど、要冷蔵でない加工品

持ち帰れないもの

  • まぐろの刺身・柵、生の魚介、寿司などの生もの
  • 要冷蔵の総菜、開封済みの食品
  • お店で食べきれずに持ち出したもの

買えるけれど、その場では手元に残らないもの

  • 日本酒・地酒: 買うこと自体は問題ありませんが、寄港地で購入したアルコールは船が預かり、下船日(または前夜)に返却されます(プリンセス・クルーズ日本語公式)。その晩に船室で飲むつもりの方は注意してください
  • 包丁などの刃物: お土産に人気ですが、持ち込みは禁止です。保安検査で預かりとなり、下船時に返されます

細かいルールは船会社ごとに違うので、最終的には乗っている船の案内で確認してください。

ただ、「要冷蔵のものは持ち込めない」「寄港地で買ったお酒は預かりになる」の2点は、主要な船会社に共通しています。

まぐろは、その場で食べていくのがおすすめです。持ち帰るなら、桜えびとお茶を。


河岸の市への行き方

いちば館1階の通路。鮮魚店の間に食事処が並ぶ
いちば館1階の通路。鮮魚店の間に食事処が並ぶ(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

JR清水駅から

JR清水駅の東西自由通路。エスパルスのバナーが並ぶ
JR清水駅の東西自由通路。エスパルスのバナーが並ぶ(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

海側の東口(みなと口)を出て、徒歩3〜5分です。

発泡スチロールの箱を提げた人の流れについていくと着きます。

クルーズ埠頭(日の出埠頭)から

日の出埠頭の乗降エリア。奥に停泊中のクルーズ船
日の出埠頭の乗降エリア。奥に停泊中のクルーズ船(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

海沿いを歩いて10〜15分、タクシーなら5分ほどです。

徒歩の場合は、海を右手に見ながら駅の方向へ。駅の手前にあります。

静岡市街から

東海道線で清水駅まで約10分。あとは東口から上記のとおりです。

商店街とセットで回るのもおすすめ

駅の反対側(西口側)には、昔ながらのアーケード商店街があります。

市場でランチをして、そのあと屋根付きの清水銀座のアーケードを散歩する。

どちらも駅から数分なので、雨の日にも歩きやすい組み合わせです。

交通費・Wi-Fi・コインロッカーなど、寄港日全体の組み立ては清水港クルーズ完全ガイドを参考にしてください。


知っておくと便利なポイント

現金を少し持っておく

カードが使えるお店は多いものの、鮮魚の小さなお店は現金のみの場合もあります。

数分歩けばセブン‐イレブン(海外カード対応ATMあり)があります。

行列は見た目より速く進む

丼ものは調理が速いので、15人の列が20分ほどで進むこともよくあります。

食べたいお店があれば、列の長さだけで諦めなくても大丈夫です。

シェアもしやすい

盛りが良いお店が多いので、まぐろ丼とまぐろカツを2人で分ける、といった頼み方もできます。

市場での食べ歩きの余白も残せます。

トイレ・座席

両方の棟にあります。長い寄港日のペース配分に地味に役立ちます。

言葉の心配は少なめ

食堂は写真メニューでほぼ解決します。

鮮魚店は指差しと翻訳アプリで十分です。値札も明瞭です。


よくある質問

Q. 東京の有名市場と比べて、行く価値はありますか?

体験の種類が違います。

築地場外市場は規模も知名度も上ですが、混雑と価格も上です。

河岸の市では、日本一のまぐろを水揚げ港のすぐ近くで、地元の人に混ざって1,500〜2,500円ほどで食べられます。

「食べること」が目的なら、こちらも十分おすすめできる場所だと思います。

Q. まぐろのセリは見られますか?

見られません。早朝の卸売のセリは公開されていません。

その代わり、仲卸のお店の店先や、氷の上に並ぶ原魚、市場の食事を昼の時間帯に楽しめます。

夜明けではなく、お昼に来てください。

Q. 滞在時間はどのくらい見ればいいですか?

さっと丼を食べて市場を一周するなら45分ほど。

人気店に並び、乾物店をゆっくり見て回るなら90分くらい見ておくとゆっくりできます。

これに出発地からの移動時間を足してください。

Q. 子ども連れでも大丈夫ですか?

大丈夫です。明るくカジュアルな雰囲気で、水槽や魚など、子どもが見て楽しいものも多い場所です。

丼は「まぐろとごはんだけ」という注文もしやすく、好き嫌いのある子にも合わせやすいと思います。

週末昼のピークを外せば、ベビーカーでも通れます。

Q. 生魚が苦手なのですが。

問題ありません。

まぐろカツ、焼き魚定食、天ぷら、火の通った具の丼が、たいていのお店にあります。

まぐろカツだけでも、来た甲斐があると思います。


*最終更新:2026年7月。いちば館の営業時間(9:30〜17:30)と水曜定休は市場の公式情報で確認済み。まぐろ館の営業時間は店舗ごとに異なります。価格は目安で、変わることがあります。当日のメニューでご確認ください。*