クルーズ船で清水に着くと、船内のツアーデスクには三保松原ツアーが並んでいることが多いと思います。

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ただ、多くの場合、自分で行くよりも費用は高めです。

三保松原は、埠頭からタクシーで15〜20分。

湾を渡る水上バスもあり、行程は半日にすっきり収まります。

日本のクルーズ寄港地の中でも、個人で行きやすい世界遺産だと思います。

この記事は、実際に行くための手引きです。

交通手段ごとの料金、時間刻みのモデルプラン、行く前に知っておきたい正直な注意点をまとめました。

三保松原が「なぜ」特別なのか、世界遺産登録の背景や羽衣伝説については、姉妹記事の 三保松原と清水港:見逃せない世界遺産のクルーズ寄港地ガイド をどうぞ。

このページは、行き方・帰り方・時間配分に絞って書いていきます。


船のツアーと個人手配、正直な比較

船会社の三保松原ツアーは、他の1〜2か所とセットになった3〜4時間コースが定番です。

価格は、会社により1人60〜120ドルほどになることが多いようです。

個人で行く場合は、こうなります。

費用(2人・往復) 合計120〜240ドル 合計5,000〜7,000円ほど 合計4,000円(1人片道1,000円)+バスか徒歩
所要 3〜4時間・固定 約3時間・自由 3.5〜4.5時間・ダイヤ次第
松原での滞在 40〜60分が多い 好きなだけ ダイヤの許すだけ
語学 不要 不要(「三保松原」で通じます) ほぼ不要
出港の保証 あり(船が待つ) 自己責任 自己責任

船のツアーの良さは、手配がいらないことと、帰りが遅れても船が待ってくれる安心感です。

個人手配の良さは、費用を数分の一に抑えられることと、滞在時間を自由に決められること。

そして、富士山が見えやすい午前中に行けることです。

詳しくは後で触れますが、三保は午前に行く価値が特に大きい場所です。

歩くのに不安がなく、上陸時間が5時間以上あるなら、個人手配のほうが向いている方が多いと思います。

上陸時間が短い日や、足元の悪い道がつらい方は、ツアーかタクシー往復が安全です。


行き方は3通り

船が着くのは日の出埠頭です。

三保は湾を挟んだ半島側にあり、天気がよければ船の上からも見えます。

1. タクシー:最速・グループ向き

寄港に合わせて日の出埠頭に待機する静鉄タクシー
寄港に合わせて日の出埠頭に待機する静鉄タクシー(撮影:清水港クルーズガイド編集部)
日の出埠頭のタクシー乗り場と、タクシーツアー(TaaS)の案内トラック
日の出埠頭のタクシー乗り場と、タクシーツアー(TaaS)の案内トラック(撮影:清水港クルーズガイド編集部)
  • 所要: 片道15〜20分
  • 料金: 片道2,500〜3,500円ほど
  • 乗り方: 寄港日は埠頭に待機列ができます。観光案内所でも手配できます。行き先は「三保松原」でOK

3〜4人で割れば、バスとの料金差はわずかです。

移動時間は大きく短くなります。

ひとつだけ、重要な注意があります。

三保では、タクシーが常に待機しているとは限りません。

帰りの足は、行きのうちに決めておいてください。

運転手さんに待機を頼む(4時間貸切で15,000〜20,000円ほどが目安)か、ビジターセンター「みほしるべ」で呼んでもらうのが確実です。

2. 水上バス:景色で選ぶルート

水上バス①番のりばの浮桟橋と乗降口
水上バス①番のりばの浮桟橋と乗降口(撮影:清水港クルーズガイド編集部)
清水港内を航行する水上バス。背景は駿河湾沿いの山並み
清水港内を航行する水上バス。背景は駿河湾沿いの山並み(撮影:清水港クルーズガイド編集部)

清水港の水上バスは、晴れた日には船首の向こうに富士山を見ながら湾を渡れる移動手段です。

日の出側の乗り場は着岸場所のすぐそばで、エスパルスドリームプラザから徒歩2〜5分です。

  • 運賃: 大人1区間1,000円、子ども500円(港内一周は1,800円)
  • 便数: 日の出発は1日7便、始発9:55、最終16:35(2026年4月改定)
  • 航路: 日の出→江尻(清水駅近く)→三保→日の出。一周約55分
  • 日の出→三保: 約25〜30分(江尻経由) 三保→日の出: 直行で約15分

注意したいのは、着いてからです。

三保桟橋は半島の港側にあり、松原は海側。

桟橋から松原までは徒歩約35分、または路線バス約5分+徒歩15分かかります。

水上バス自体は気持ちのいい移動手段なのですが、行程全体はタクシーよりはっきり長くなります。

荒天時や不定期の整備日には欠航もあるので、乗る前に埠頭の案内所で当日のダイヤを確認してください。

帰りはタクシーに切り替える、という選択肢も頭に入れておくと安心です。

3. 路線バス:最安

しずてつジャストラインの路線バスが、清水駅周辺から三保方面へ走っています。

「三保松原入口」で下車、約25分・370〜480円。

そこから松原まで、徒歩15〜20分かかります。

埠頭から清水駅までの徒歩15分も加わります。

いちばん安く、いちばん時間がかかる選択肢です。

上陸6時間以上あって、ローカルなバス移動も旅の一部として楽しめる方向けだと思います。

編集部のおすすめは、朝いちばんにタクシーで行き、ダイヤが合えば帰りだけ水上バスに乗る組み合わせです。

富士山が見えやすい朝の時間を最短ルートで使い、帰りは直行約15分の船旅を楽しめます。


半日プラン(時間刻み)

9:00ごろ下船、午後の中ごろに帰船という、よくあるパターンで組んでみます。

実際の寄港時間に合わせて、前後にずらしてください。

  • 9:00 下船、まず現金: 円が必要なら、埠頭近くのセブン‐イレブン内ATMが海外カード対応です(邦船の方はそのまま出発で大丈夫です)。三保にはお店が少ないので、現金は渡る前に用意しておいてください
  • 9:15 埠頭からタクシー: 15〜20分で三保の入口へ。「みほしるべの近くまで」と伝えるとスムーズです
  • 9:35 みほしるべ(ビジターセンター): 入館無料、9:00〜16:30。松原の成り立ちや羽衣伝説、富士山とのつながりが分かる展示があり、10〜15分の予習でこの後の景色が分かりやすくなります。この先は設備が少なくなるので、トイレもここで済ませておいてください
  • 9:50 松林を抜けて浜へ: 羽衣の松を経由して海岸へ。黒松、小石の浜、駿河湾、そして天気がよければ富士山が見えます。朝は一日でいちばん光がよく、富士山も見えやすい時間帯です
  • 10:40 神の道: 体力に余裕があれば、御穂神社へまっすぐ延びる松並木「神の道」を往復してみてください。木陰の静かな散歩道です
  • 11:15 帰路へ: 手配済みのタクシーか、三保桟橋から水上バス(直行約15分)で港へ。水上バスの時刻は、朝のうちに確認しておくか、みほしるべで聞いてみてください
  • 11:45〜12:00 港に戻ってランチ: 駅近くの 河岸の市 か、埠頭隣のドリームプラザ清水すし横丁へ。何を頼むかは 清水港グルメガイド にまとめてあります

ここまで、ゆっくりペースで約3時間。

帰船時刻まで、余裕を残して戻れます。


上陸時間別の組み立て

上陸4時間以下の場合

タクシー往復にして、神の道は省略、松原での滞在は1時間までが目安です。

成立しますが、駆け足にはなります。

先に帰りの余裕時間を確保して、残りの時間で組んでください。

上陸5〜6時間の場合

上のプランに市場ランチを加えた形です。

三保と清水の寄港日は、この組み合わせがいちばん相性がいいと思います。

上陸7時間以上の場合

水上バスでの往復も、浜でのんびりする時間も、ゆっくり座ってのランチも入ります。

午後に日本平・久能山東照宮を足すのも自然な流れです。

個人手配の詳細は 日本平・久能山東照宮ガイド へ。

清水港全体の選択肢は 清水港クルーズ完全ガイド からどうぞ。


出発前に読んでほしい2つの正直な話

ひとつめは、富士山のことです。

富士山は、しばしば雲に隠れます。

夏は霞で何日も見えないことがあり、晩秋から冬の朝がいちばん見えやすい時期です。

松原と伝説と海岸線だけでも行く価値はあると思いますが、富士山の写真だけが目的なら、タクシー代を払う前に、埠頭の案内所で当日の見え具合を聞いてみてください。

季節ごとの目安は、三保松原ガイド の表にまとめています。

ふたつめは、行く時間帯です。

どの季節でも、視界と光は朝がよく、昼にかけて落ちていきます。

「午前に三保、昼に市場」の順番にしておけば、大きく外すことは少ないと思います。


実用メモ

帰りの余裕を最初に確保する

帰船リミットの60分前には、埠頭へ戻るつもりで組んでください。

湾を渡るのに20分、タクシー待ちや乗り損ねの予備にもう少し見ておくと安心です。

日本では、出港に乗り遅れると、次の寄港地までの移動は自費になります。

歩きやすい靴で

松の根、砂、小石の道を歩きます。

サンダルだと、浜で歩きにくいと思います。

現金を持っておく

帰りのタクシー、路線バス、入口の売店は、現金が基本です。

昼食は港側で

三保に昼食を取れるお店はほとんどなく、入口の小さなお店くらいです。

食事は港側に戻ってから、と計画しておいてください。

日差し対策を忘れずに

松林は日陰ですが、浜には遮るものがありません。

夏は、水と帽子を持っていってください。


よくある質問

Q. 個人手配でも、本当に簡単に行けますか?

簡単だと思います。

乗り換えなしのタクシー1本で、行き先は運転手さん全員が知っている場所。

着いた先には、案内施設もあります。

船のツアーなしで上陸するのが初めての方にも、三保は選びやすい行き先です。

Q. 途中で天気が崩れたら?

みほしるべが、雨宿りとタクシー手配の拠点になります。

雨でも松林は歩けますが、浜の景色は楽しみにくくなります。

早めに切り上げて港側に戻り、浮いた時間をアーケードのある 清水銀座 やドリームプラザに回すのもひとつの選択肢です。

Q. 三保と河岸の市、両方まわって午後の帰船に間に合いますか?

朝スタートなら間に合います。

上のプランで正午ごろ港に戻り、市場ランチに1時間とっても、13:30には埠頭に戻れます。

例外は、下船が遅れた日と、帰船リミットが14時前の日です。

その場合は松原を削らず、ゆっくり座っての昼食をあきらめる形になると思います。

Q. 足腰に不安があっても水上バスで行けますか?

水上バスはタラップの乗り降りがあり、三保側で長い徒歩かバスの乗り継ぎも必要です。

実は、いちばん体力を使う選択肢です。

足腰に不安がある場合は、タクシーで入口まで往復するのが現実的だと思います。

松原内の道は平坦ですが、浜への最後の区間だけは砂利になります。


*最終更新:2026年7月。水上バスのダイヤ(日の出発1日7便・9:55〜16:35)と運賃(1区間1,000円)は2026年4月改定時点のもので、荒天時は欠航があります。タクシー料金・バス路線は変わることがあるため、当日、埠頭の観光案内所で最新情報をご確認ください。*